9/25 はぐくみ委員会 令和2年度 第1回研修会

左京南支部はぐくみ委員会の令和2年度 第1回研修会が開催されました。
はぐくみ委員会とは、『家庭における子育てのあり方=「はぐくみ」』に関わる問題を話し合い、学び、広げるための委員会です。

左京南支部には12の小学校(上高野・松ヶ崎・葵・修学院・修学院第二・養徳・養正・北白川・錦林・第三錦林・第四錦林・下鴨)があり、各校PTAから1名がはぐくみ委員代表となり、活動しています。
「いま子どもたちに必要なものは?」「親として何ができるか?」など、子育てに関わるさまざまな問題・話題について、学校の垣根を越えて学びあう場となっています。

今回の研修会では、ZOOMを利用し、助産師の渡邉安衣子さんに『子どもと話そう性と生』というテーマでお話しいただきました。
とても深い学びを得られるお話でしたので、お話しいただいた内容の一部を、パワーポイント資料の写真とともに紹介します。

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<現代の若者の性行動>
低年齢化が進んでいると思われがちだが、経験率の推移を見ると、そのような傾向は見られない。しかし、低年齢で性行動をとる子どもも一定数いる。そのような性交開始年齢が早い子どもは「家庭に居場所がない」と感じているケースが多く、親子関係が影響している。
高校生・大学生の経験率は低下傾向で、「関心がない」「あるいは嫌悪感がある」という人も非常に多い。また、全体としてコミュニケーションが苦手な人が多い。

<デートDVの増加>
コミュニケーションが苦手なことから起こりうる問題としてデートDV(交際相手からの暴力行為。行動制限、束縛、脅しなども含む)がある。交際経験のある10代女子の半数以上が経験している。DVのような特定の人への攻撃は歪んだ価値観によって生まれるものであり、教育によって防ぐことができる。大切なのは、「DV被害を受けないための教育」ではなく「DV加害をしないための教育」(加害者をつくらないことで被害者を減らす)。

<デートDVの加害者にも被害者にもならないために>
パートナー間で対等な関係を築くことが大切。具体的には、@自分をダメだと思わない、相手のことを見下さない(自分も相手も大切)、A安心して「NO」が言える、B自分のことを自分で決められるという関係性。また、一人ひとりが、さみしいときに自分を癒せるものを複数持つことが大切。恋人に依存しない。

「自分で自分を大切にしていると感じる時間はどんな時か?」「自分にとって、救いになるものは何か?」と自分に問いかけてみよう。暴力(支配行動)は不安の表れでもあるので、暴力をなくすために一番大切なのは、自分で自分をよく知り、大切にすること。自分を大切にできるなら、人も大切にできる。
親にできることは、子どもが明確なNOを言える環境をつくることと、相談できる関係性をつくること。性の問題の土台は人との関係の持ち方の問題なので、幼い時からの親子関係はとても大切。

<包括的性教育>
日本の性教育は「生殖」「性器」といったものをピンポイントに扱うが、国際的な傾向では、性教育は「人権とジェンダーの平等」という枠組みの中に位置づけられており、ジェンダー、性的マイノリティー、コミュニケーションなどの問題とともに扱われる。このような性教育を包括的性教育という。包括的性教育は段階的に5歳頃から始まる。早い段階から正しい知識をもつことで、「初めての性的関係に慎重になる(開始年齢を遅らせる)」「無防備な性行動を減らす」などの効果がある。

<性について教えるときの注意点は?>
性教育全般に、教える側の三原則は、@「性を肯定的に捉える」(性をタブー視しない。興味をもつのはよいこと)、A「性を科学的に見る」(道徳的、物語的に語る必要はない)、B「多様性を理解する」(体外受精や帝王切開についても触れる)とうこと。

<性交について聞かれたら?>
基本的には「子どもが聞いてきたときが答え時」。性交については「精子を卵子に届けるているんだよ」という事実を伝えるだけでよい。身近な昆虫や、動物園の動物が交尾しているのを見て、「いやらしい」と思う子どもはいない。偏見や先入観のないときにきちんと教えてあげることで、「赤ちゃんができるといいね」と肯定的・科学的な感覚で見ることができる。

<多様性にふれること>
妊娠については体外受精もあること、出産については帝王切開という生まれ方もあることなど、多様性にふれる。どれかひとつの様式だけを「普通」だと思ってしまわないようにする。
LGBT&Qについても同様に、偏見や先入観のないときからその多様性を知っておく。

<将来、性の問題を相談してもらえる親子関係をつくるために>
子どもは「ちゃんと教えてくれる人」にしか相談しない。子どもからの質問に対して、いい質問だね、と受け止めて、きちんと答えていく。

<学校での性教育の現状>
小学校・中学校では性交については学習しないのに、高校では学んでいることを前提として「避妊」「中絶」「家族計画」などが出てくる。現状の学校の性教育だけでは、正しい知識がないまま情報過多なネットの世界に接することになり、正しい情報を選別できず、自分の身を守れない。また、アダルトコンテンツなどの歪んだ情報を現実と勘違いする危険性がある。

<性教育は同性がするべき?>
「肯定的に、科学的に」という立場で指導できるのであれば、同性がしても異性がしてもよい。教える側が違和感をもっていると(異性が指導することをタブー視したり、いやらしいものと思ったり)、教えられる側にも伝わるので、そのような場合は他の人がしたほうがよい。

<子どもがつらい思いをしたときは>
子どもが嫌なことや怖いことをされたと話してくれたときに、「よく話してくれたね」「あなたは悪くない」「あなたを信じる」という3つの言葉をかけるようにする。「あなたも悪かったんでしょう」「気にしすぎだよ」などはNG。「困ったときにはSOSを出せる、何でも言える」という親子関係を築くためには、「子どもをケアする立場」で話すことが大切。

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第2回の研修会については開催日・内容とも現時点では未定ですが、新たな学びがあれば、またお伝えしたいと思います。



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