学校から持ち帰ったリコーダーがなんとなく臭う。吹くと音が詰まる。そういうときは丸洗いで直ります。ただし、洗っていいのは樹脂製だけです。
ヤマハが公式サイトで公開しているお手入れ方法をもとに、洗う目安、樹脂製の洗い方、乾かし方とグリス、木製の扱い、やってはいけないことの順に書きます。
リコーダーを洗う目安とチェックポイント
毎回洗う必要はありません。吹いたときに音がかすれる・詰まる、頭部管の吹き口が臭う、息の通り道(ウインドウェイ)に白い汚れが見える、のどれかが出たら洗う時期です。学校で使うリコーダーなら、学期の終わりに1回洗うと、この状態になる前に済みます。
ヤマハの説明では、口の中に残った食べ物のかすがウインドウェイに詰まったり、カビの原因になったりします。汚れの多くは吹き口と頭部管の内側に集まるので、まず頭部管を外して光に透かすと詰まり具合が分かります。
洗う前に確かめる。樹脂製は丸洗い、木製は洗わない
学校で使う白いリコーダーはABS樹脂製で、ヤマハの公式ページにも「台所用の中性洗剤で丸洗いができます」と書かれています。木製のリコーダーは水に浸けると変形や割れの原因になるので、丸洗いはしません。管の内側の水分を拭き取って乾かす手入れだけにします。
テナーやバスのようにキイ(金属のレバー)が付いた樹脂製は、キイの部分を濡らさないようにします。キイの無いソプラノやアルトなら、全部を水に浸けて問題ありません。
樹脂製リコーダーの洗い方。ヤマハの手順に沿った6ステップ
手順1 頭部管、中部管、足部管の3つに分解する
つなぎ目を持って、回しながら抜きます。まっすぐ引っ張ると固くて抜けないことがあるので、少しずつ回してください。分解したまま洗うと、つなぎ目の内側まで汚れが落ちます。
手順2 40℃以下のぬるま湯に、中性洗剤を少し溶かす
洗面器にリコーダーが浸かる量のぬるま湯をため、食器用の中性洗剤を溶かします。湯の温度は40℃以下です。熱湯は樹脂が変形するので使いません。洗剤の量は、水1Lに5〜10mlが目安です。
手順3 30〜40分つけ置きする
分解した3本を沈めて、30〜40分置きます。つけ置きで吹き口の内側やウインドウェイの汚れがふやけて、こすらなくても落ちやすくなります。
手順4 ガーゼで優しく洗う。ラビュームには触らない
ガーゼやハンカチで外側と内側をなでるように洗います。頭部管の窓の縁にある斜めの部分(ラビューム)は音を作る場所で、傷が付くと音が変わります。ここは布を当てず、水の流れで汚れを落とします。ウインドウェイに残った汚れは、細い糸を通して水の中で軽く動かすと取れます。
手順5 流水ですすぐ
洗剤が残ると次に吹いたときに味がするので、内側まで流水でよくすすぎます。ウインドウェイは吹き口側から水を通して、反対側から出るのを確かめます。
手順6 掃除棒にガーゼを巻いて水分を拭き、分解したまま乾かす
付属の掃除棒にガーゼを巻き、管の内側の水を拭き取ります。外側は柔らかいタオルで拭きます。3本をつなげずに、タオルの上で一晩、風通しのよい日陰で乾かします。直射日光とドライヤーは変形の原因になるので使いません。
乾かした後のグリス。つなぎ目に薄く塗る
乾いたら、中部管の両端のつなぎ目にリコーダークリーム(グリス)を薄く塗ってから組み立てます。塗ると抜き差しが軽くなり、樹脂同士が直接こすれて削れるのを防げます。ヤマハの説明でも、ゆるくなってきた樹脂製にはリコーダークリームをしっかり塗るよう書かれています。
専用のクリームが無ければ、ワセリンで代用できます。塗りすぎるとつなぎ目からはみ出して汚れを呼ぶので、米粒ほどを指で伸ばす量で足ります。
木製リコーダーの手入れは「拭く・乾かす・ならす」
木製は丸洗いをしない代わりに、吹いた後に必ず掃除棒とガーゼで内側の水分を拭き取り、染み込んだ水分が乾いてからケースにしまいます。ヤマハの説明では、買ったばかりの木製は最初の1週間、1日15分ほどから吹き始める「ならし」が要ります。いきなり長く吹くと、内部のブロックが水分で膨らんで割れることがあるためです。
つなぎ目がコルクの木製は、グリスを毎回拭き取る必要はありません。ゆるくなったら、コルクを交換するか、コルクの上に細い糸を巻いて直します。
毎日の手入れで、洗う回数を減らす
吹く前に歯磨きとうがいをする
ヤマハの説明にあるとおり、口の中に食べ物が残った状態で吹くと、ウインドウェイに詰まってカビの原因になります。給食の後に吹く授業がある日は、歯磨きかうがいをしてから吹くよう子どもに伝えてください。
吹いた後は毎回、内側の水分を拭き取る
樹脂製も木製も、吹いた後に掃除棒にガーゼを巻いて内側を拭きます。水分を残したままケースに入れると、臭いとカビの原因になります。ガーゼの代わりに、市販のクリーニングスワブでもかまいません。
音が詰まったら、窓に指を当てて強く吹く
吹いている途中で音がかすれたら、ウインドウェイに水滴がたまっています。ヤマハの説明では、頭部管の窓の上に指を1本軽く当てて強く息を吹き込むと、水滴が出て直ります。ストローのように少し吸っても取れます。冬は楽器を手で温めてから吹くと、結露が減ります。
やってはいけないこと4つ
熱湯・アルコール・食器洗い機は使わない
熱湯とアルコールは樹脂を変形させたり劣化させたりします。食器洗い機も高温になるので入れません。40℃以下のぬるま湯と中性洗剤だけで落ちます。
ラビュームをこすらない
頭部管の窓の斜めの部分は音を作る場所です。歯ブラシや爪でこすると音が変わり、元に戻せません。
直射日光とストーブの近くに置かない
ヤマハの説明では、保管は必ずケースに入れ、直射日光の当たる場所、ストーブなどの近く、湿気の多い場所、ほこりの多い場所を避けます。乾かすときも日陰です。
キイ付きは水に浸けない
テナーやバスのキイの部分は、濡らすとさびや動きの悪化につながります。キイの無い部分だけを洗い、キイまわりは湿らせたガーゼで拭きます。
樹脂製は「40℃以下のぬるま湯と中性洗剤で丸洗い」が答え
リコーダーの洗い方は、樹脂製なら3つに分解して40℃以下のぬるま湯と中性洗剤に30〜40分つけ置きし、ガーゼで優しく洗ってすすぎ、掃除棒で水分を拭いて分解したまま日陰で乾かす。乾いたら中部管のつなぎ目にグリスを薄く塗る。木製は洗わず、拭いて乾かす。
学期の終わりに1回洗い、毎回吹いた後に内側を拭く。この2つで、臭いと音の詰まりはほぼ防げます。
元々は充電式のポータブル電源や電動工具分野の専門アドバイザー。現在はキッチン家電や生活家電、カー用品まで幅広く担当しています。「毎日使うものほど、扱いやすさで選ぶ」が持論。
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