顕微鏡の使い方をわかりやすく|光学・双眼実体・手持ちの種類別に手順と倍率の見方

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学校の理科で習ったはずなのに、家で子どもと顕微鏡を出すと「反射鏡ってどっちに向ける?」「ピントはどっちに回す?」と手が止まります。順番を間違えるとプレパラートを割り、レンズを傷めます。

顕微鏡の使い方は、明るい場所に置き、接眼レンズから付け、低い倍率で、対物レンズを横から見ながら近づけてから、離す向きにピントを合わせる、の順です。教科書会社と理科の学習サイトの解説をもとに、顕微鏡の種類ごとに「〜は?」の形で、家でそのまま使える手順にして書きます。

ふつうの顕微鏡(光学顕微鏡)の使い方は?

Vixen 学習用顕微鏡セット ミクロショット800

学校にあるのはこの型で、プレパラートに光を通して40〜600倍で見ます。家庭用の学習顕微鏡も同じ手順です。

  1. 直射日光の当たらない、明るく平らな机に置く。運ぶときはアームと底を両手で持つ
  2. 接眼レンズを先に付け、次に対物レンズを付ける。ほこりが対物レンズに落ちないようにするため
  3. レボルバーを回して、一番低い倍率の対物レンズにする
  4. 接眼レンズをのぞきながら反射鏡を動かし、視野全体が明るくなる向きにする
  5. プレパラートをステージに置き、見たい部分を穴の中央に合わせてクリップで留める
  6. 横から見ながら調節ねじを回し、対物レンズをプレパラートにぎりぎりまで近づける
  7. 接眼レンズをのぞき、対物レンズを離す向きにゆっくり回してピントを合わせる
  8. 見たい物を視野の中央に動かしてから、レボルバーを回して倍率を上げる

覚えておく決まりは2つです。ピントは必ず「近づけてから離す」向きで合わせること。のぞきながら近づけると、レンズがプレパラートに当たって割れます。もう1つは、倍率は必ず低い方から。高倍率から始めると視野が暗く狭く、何を見ているか分かりません。

直射日光を避けるのはなぜ?

反射鏡で太陽の光を集めると、レンズを通った光が目に入って傷めるからです。窓際なら、カーテンで日差しを遮った場所か、部屋の明かりを使います。反射鏡が2面ある顕微鏡は、部屋が暗いときにへこんだ面(凹面鏡)を使うと明るくなります。LEDの光源が付いた顕微鏡は、反射鏡の代わりにスイッチを入れるだけです。

プレパラートを動かす向きは?

顕微鏡の像は上下左右が逆に見えます。見たい物が視野の右上にあるとき、プレパラートは左下へ動かします。動かしたい向きと逆に動かす、と覚えれば迷いません。倍率が高いほど少し動かしただけで大きくずれるので、中央に合わせる作業は低倍率のうちに済ませます。

倍率の計算は?接眼レンズ×対物レンズ

顕微鏡の倍率は、接眼レンズの倍率と対物レンズの倍率のかけ算です。接眼10倍で対物4倍なら40倍、対物40倍なら400倍です。学校の顕微鏡は接眼10倍か15倍、対物4・10・40倍の組み合わせが多く、40倍から600倍まで見られます。

倍率 見えるもの 向く観察
40〜60倍 花粉の粒、昆虫の羽の鱗粉、布の織り目 最初のピント合わせ、全体を見る
100〜150倍 葉の気孔、ミジンコ、タマネギの細胞 小学校の観察の中心
400〜600倍 細胞の中の粒、ゾウリムシの動き 中学校の観察。明るさが要る

双眼実体顕微鏡の使い方は?

レイメイ藤井 ハンディ顕微鏡 ZOOM RXT1143M

両目でのぞく、20〜40倍の低い倍率の顕微鏡です。光を通さない物をそのまま置いて見るので、プレパラートは要りません。石、貝、昆虫、種、花の中を立体で見るのに向きます。

  1. 見たい物をステージにそのまま置く
  2. 両目の幅に合わせて、2つの接眼レンズの間隔を広げたり狭めたりする
  3. 右目だけでのぞき、調節ねじでピントを合わせる
  4. 左目だけでのぞき、左の接眼レンズの視度調節リングを回してピントを合わせる
  5. 両目でのぞき、1つの像に見えていれば完了

ふつうの顕微鏡と違って像は逆さまにならず、ピンセットで物を動かしながら見られます。低学年の最初の1台にはこちらの方が扱いやすいです。

子ども用の手持ち顕微鏡の使い方は?

2,000円前後で買える、手のひらに乗る60〜120倍の顕微鏡です。LEDのライトが付き、電池で動きます。

使い方は、見たい物の上に本体の底を直接当て、ライトを点け、のぞきながらピントのダイヤルを回すだけです。プレパラートを作らずに、葉の表面、紙のインク、砂、皮膚をその場で見られるので、外に持ち出す観察に向き、ふつうの顕微鏡の前段階として使う家庭が多いです。底を物に密着させないとぶれるので、両手で本体を押さえてのぞきます。

プレパラートの作り方は?

フェリモア プレパラート 動植物標本 100種セット

ふつうの顕微鏡で見るには、薄い試料をガラスに挟んだプレパラートが要ります。家では次の手順で作れます。

  1. スライドガラスの中央に、スポイトで水を1滴落とす
  2. 見たい物(タマネギの薄皮、葉の裏の皮、池の水など)を水の上に置く
  3. カバーガラスをピンセットで持ち、片方の端を水に付けてから、斜めにゆっくり下ろす。空気の泡が入らないようにする
  4. はみ出た水をろ紙かティッシュの端で吸い取る

タマネギの薄皮は、内側の皮をピンセットではがすだけで細胞が見えます。市販の標本プレパラートのセットを1つ買っておくと、作る手間なく100種類ほどを見比べられ、作り方の見本にもなります。

片付け方は?レンズを拭いて、低倍率に戻す

使い終わったら、対物レンズを一番低い倍率に戻し、ステージを下げて、プレパラートを外します。レンズは専用のレンズペーパーか、柔らかい乾いた布で軽く拭きます。ティッシュは繊維が残り、息を吹きかけるのはつばが付くので避けます。カバーをかけて、湿気の少ない場所にしまいます。

うまく見えないときは?原因は3つ

症状 原因 直し方
全体が暗い 反射鏡の向きが合っていない、絞りが閉じている のぞきながら反射鏡を動かす。絞りを開ける
ぼやけて合わない 倍率が高すぎる、試料が厚い 低倍率に戻して合わせ直す。試料を薄くする
丸い泡が見える カバーガラスの下に空気が入った プレパラートを作り直す
動かすと逆に行く 像が上下左右逆だから 正常。逆に動かす

低倍率から、近づけてから離す。この2つで顕微鏡は使える

顕微鏡の使い方をわかりやすく言えば、明るい場所で、接眼レンズから付け、低倍率にして、反射鏡で明るくし、横から見ながら近づけ、離しながらピントを合わせ、中央に合わせてから倍率を上げる、の順です。双眼実体顕微鏡はプレパラート無しで立体を見る低倍率の型、手持ち顕微鏡は物に当ててのぞく外向きの型で、どれも「低倍率から」「レンズをぶつけない」の2つを守れば壊しません。

最初はタマネギの薄皮で100倍を見てください。細胞の壁が並ぶのが見えた瞬間に、子どもは次に何を見るかを自分で探し始めます。

この記事のアドバイザー
電山タケル
元々は充電式のポータブル電源や電動工具分野の専門アドバイザー。現在はキッチン家電や生活家電、カー用品まで幅広く担当しています。「毎日使うものほど、扱いやすさで選ぶ」が持論。
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