加湿フィルターを外してみたら、白いカリカリした固まりがこびりついていた。水で洗っても取れないし、こすると壊れそうで手が止まりますよね。あの白い固まりは水道水のカルシウムで、クエン酸につけると溶けて落ちます。ただし、クエン酸を使ってよい部品と使ってはいけない部品があり、量と時間はメーカーごとに少しずつ違います。ダイキン、パナソニック、シャープの案内と掃除記事6本を読み比べて、そのまま真似できる形にしました。
クエン酸で落ちるのは加湿フィルターの白い水垢だけ
クエン酸が効く汚れは1種類だけです。加湿フィルターやトレーに残る白い水垢はクエン酸で溶けますが、ぬめりとカビとホコリには効きません。空気清浄機の汚れをひとまとめにして「クエン酸で洗えば全部きれいになる」と思っていると、落ちない汚れに時間を使うことになります。まず、目の前の汚れがどれなのかを見分けてください。
白くカリカリした汚れは水道水のカルシウム
加湿フィルターに水を吸わせて風を当てると、水だけが蒸発して、水道水に溶けていたカルシウムやマグネシウムがフィルターに残ります。これが白い水垢です。カジリーの記事では、放っておくと水垢がガチガチに固まって、水漏れから漏電につながることもあると注意しています。
水垢はアルカリ性の汚れなので、酸性のクエン酸で中和すると溶けます。逆に、重曹はアルカリ性なので水垢には効きません。白い固まりには重曹ではなくクエン酸、と覚えておけば迷いません。
ぬめりとカビはクエン酸では落ちない
タンクの底やトレーのぬめりは雑菌のかたまりで、黒い点はカビです。こちらは酸で溶ける汚れではないので、クエン酸につけても薄くなる程度です。ぬめりはスポンジでこすり落とし、においが残るなら重曹を使います。
カジリーの記事によると、カビは22度から28度で湿度60パーセント以上になると増えます。加湿している部屋はまさにその条件なので、ぬめりは見つけた日に落とすのがいちばん手間が少ないです。
集塵フィルターと脱臭フィルターは水に付けない
空気の通り道にある集塵フィルターと脱臭フィルターは、ほとんどの機種で水洗いができません。レンティオの記事もトルネックスの記事も、この2枚は掃除機で表面のホコリを吸うだけと書いています。クエン酸水につけると、フィルターの繊維や脱臭の成分が傷んで、本来の働きをしなくなります。
クエン酸を使う相手は、水を扱う部品だけです。加湿フィルター、加湿トレー、給水タンクの3つと覚えてください。それ以外の部品に液体を付けるときは、必ず取扱説明書で水洗いの可否を確かめてから触ります。
【部品別】クエン酸を使える場所と使えない場所
クエン酸は食品にも使われるので安全だと思われがちですが、酸である以上、長く触れると傷む素材があります。使えるのは加湿フィルター、加湿トレー、給水タンクの3つで、銀イオンのカートリッジ、金属部品、ゴムのパッキンには付けないようにします。
| 部品 | クエン酸 | 代わりにやること |
|---|---|---|
| 加湿フィルター | 使える | 2時間つけ置きして押し洗い |
| 加湿トレー | 使える | クエン酸水で30分つけて洗う |
| 給水タンク | 使える | クエン酸水を入れて振り洗い |
| 集塵フィルター | 使えない | 掃除機で表面を吸う |
| 脱臭フィルター | 使えない | 掃除機で吸って日陰で1日風に当てる |
| 銀イオンカートリッジ | 使えない | 外してから作業する |
| 本体とセンサー | 使えない | 乾いた布と綿棒で拭く |
加湿フィルターとトレーと給水タンクは使える
ダイキンの案内では、加湿トレーに水垢が付いたときはクエン酸を溶かしたぬるま湯で洗う、加湿フィルターは月1回を目安にクエン酸でつけ置きする、とあります。パナソニックの案内も、タンク、トレー、フィルター枠、フィルター押さえまでクエン酸水で洗ってよいとしています。
給水タンクは、クエン酸水を入れてキャップを締め、振り洗いするだけで十分です。トルネックスの記事では、汚れが強いときは30分ほどつけ置きしてから流すとしていました。タンクは口に入る水を入れる場所なので、すすぎは他の部品より念入りにしてください。
銀イオンカートリッジと金属とゴムは外す
ダイキンの案内には「銀イオンカートリッジが浸らないように気をつけてください」とはっきり書かれています。トレーをつけ置きする前に、カートリッジは外して別に置いてください。
トルネックスの記事によると、金属部品はクエン酸に長く触れると腐食し、ゴムのパッキンは成分が残ると劣化します。金属のネジやバネが付いたまま2時間つける、ということは避けてください。外せないときは、つけ置きではなくクエン酸水を含ませた布で拭くだけにします。
塩素系の洗剤とは絶対に混ぜない
クエン酸は酸性なので、塩素系の漂白剤やカビ取り剤と混ざると塩素ガスが出ます。トルネックスの記事もこそうじの記事も、いちばん最初の注意としてこれを挙げています。
【メーカー別】クエン酸の量は水1Lに5gから10g
クエン酸の量は、3社の案内を並べると幅がありますが、どれも水1Lあたり5gから10gの範囲に収まります。迷ったら40度以下のぬるま湯1Lにクエン酸6g(大さじ2/3)を溶かし、2時間つけ置きする。これで3社どの機種でも濃すぎることはありません。
| メーカー | クエン酸の量 | 水の温度 | つけ置き時間 |
|---|---|---|---|
| ダイキン | 水3Lに大さじ2 | 40度以下 | 約2時間 |
| パナソニック | 水1Lに5gから10g | 記載なし | つけ置き後に押し洗い |
| シャープ | 水1Lに約6g(大さじ2/3) | 40度以下 | 約2時間 |
ダイキンは水3Lに大さじ2で2時間
ダイキンの加湿フィルターユニットは、水3Lに大さじ2杯のクエン酸を溶かし、40度以下のぬるま湯か水で約2時間つけ置きします。そのあと水ですすぎ、さらに1時間ほど水につけて残った酸を抜いてから乾かす、という2段階です。
ここで大事なのは「加湿フィルターは力を加えて洗わないでください」という一文です。フィルターは薄くて破れやすい素材なので、ブラシでこすると破れます。クエン酸で溶かして、水で流す。手でやるのは軽く押す程度にとどめてください。
パナソニックは1Lに5gから10gで濃くしすぎない
パナソニックのよくある質問では、水1Lに対してクエン酸5gから10gが目安とあります。同時に、濃度が高すぎるとフィルターの劣化や破損につながる、と注意しています。落ちにくいからと倍の量を入れるのは逆効果です。
パナソニックは加湿機用洗浄剤という専用の液体も売っていて、そちらは2Lあたり1目盛り(約20mL)です。クエン酸を買うときは、飲料用にビタミンなどが混ざったものではなく、掃除用か食品添加物の純粋なクエン酸を選んでください。
シャープは40度以下のぬるま湯1Lに6gで2時間
シャープの空気清浄機を使っている人の掃除記事では、取扱説明書の案内として、1Lあたり約6g(大さじ2/3)のクエン酸を40度以下のぬるま湯に溶かし、約2時間つけるとありました。ダイキンの水3Lに大さじ2も、1Lに直すとほぼ同じ量です。
お湯の温度を40度以下にするのは、フィルターの接着や樹脂の部分が熱で変形するのを防ぐためです。給湯器の温度を42度にしている家が多いので、蛇口から出したお湯を少し冷ますか、水を足してから使ってください。
加湿フィルターをクエン酸でつけ置きする8つの流れ
やることは多く見えますが、手を動かしている時間は合わせて20分ほどで、あとは待つだけです。電源を抜く、ホコリを吸う、クエン酸水に2時間つける、押し洗いしてすすぐ、陰干しする、この順番を守れば初めてでもうまくいきます。
- 電源を切って、コンセントからプラグを抜く
- 加湿フィルターとトレーを外し、銀イオンカートリッジがあれば別に置く
- フィルターのホコリを掃除機で吸い、水でざっと流す
- バケツに40度以下のぬるま湯を3L入れ、クエン酸大さじ2を溶かす
- フィルターとトレーを沈めて、約2時間そのまま置く
- フィルターを水の中で軽く押し洗いし、こすらずに白い固まりを落とす
- 流水で2回から3回すすぎ、酸っぱいにおいが消えるまで流す
- 風通しのよい日陰で半日から1日乾かし、乾いてから本体に戻す
バケツが無ければ、洗面台の排水口をふさいで湯をためても構いません。フィルターが全部浸かる深さがあれば十分です。2時間の間は他のことをしていて大丈夫ですが、タイマーをかけておかないと忘れて一晩たってしまいます。
すすぎが足りないと酸っぱいにおいが出る
クエン酸を使ったあとに風が酸っぱいにおいになった、というのはすすぎ不足です。パナソニックの案内にも、すすぎが不十分だとにおいや故障の原因になる、と書かれています。ダイキンが「すすいだあと、さらに1時間水につける」としているのも、この酸を抜くためです。
すすぎの目安は、フィルターを鼻に近づけて酸っぱさを感じなくなるまでです。においが残るなら、きれいな水にもう1時間つけてから、また流してください。
乾かさずに戻すとカビが戻る
濡れたまま本体に戻すと、閉じた本体の中で湿ったフィルターにカビが生えます。トルネックスの記事は、風通しのよい日陰で完全に乾かしてから取り付ける、を最後の確認事項にしていました。
直射日光は避けてください。フィルターの素材が紫外線で硬くなり、次の掃除でひび割れます。浴室の乾燥機能や、洗濯物と一緒に室内干しにするのが無難です。急ぐときはドライヤーの冷風なら使えますが、温風は樹脂が変形するのでやめてください。
クエン酸で落ちない汚れは重曹を使う順番で落とす
白い固まりは取れたのに、においとぬめりが残っている。そんなときはクエン酸を続けても変わりません。においとぬめりには重曹を水1Lに大さじ2の割合で溶かし、30分から1時間つけ置きします。クエン酸が水垢、重曹がにおいとぬめり、と役割が分かれています。
においとぬめりは重曹大さじ2を水1Lに
ダイキンの案内では、加湿フィルターの重曹づけは水1Lに大さじ2杯、40度以下のぬるま湯か水に30分から60分つけ置きし、水ですすいでからさらに1時間つける、となっています。加湿トレーのにおいにも重曹を使うとあります。
重曹は弱アルカリ性なので、皮脂やにおいのもとになる汚れに効きます。ただしトルネックスの記事によると、アルミの部品に重曹を使うと黒く変色することがあります。トレーの金具がアルミかどうか分からないときは、金具を外すか、その部分だけ水で洗ってください。
水垢とにおいの両方があるときはクエン酸を先にする
両方の汚れがあるときは、クエン酸で水垢を落とし、すすいでから重曹につけます。逆にすると、重曹のアルカリで水垢が固まったままになり、クエン酸の効きが悪くなります。同じバケツで続けてやるなら、間に一度きれいな水ですすいでください。
こそうじの記事には、クエン酸だけで落ちないときの方法として、フィルター全体に重曹を振りかけ、水1カップに小さじ1のクエン酸を溶かして注いで発泡させ、3時間置くやり方が載っていました。重曹とクエン酸を混ぜて出るのは炭酸ガスなので危険はありません。ただしメーカーの案内にある方法ではないので、まずは2時間のクエン酸づけを2回やってみて、それでも残るときの手段にしてください。
【頻度別】毎日と2週間と1か月でやることを分ける
クエン酸でのつけ置きは月に1回で足ります。毎日はタンクの水を替えて振り洗い、2週間に1回はプレフィルターの掃除機がけ、1か月に1回は加湿フィルターとトレーのクエン酸づけ。この3段階に分けると、1回あたりの手間が小さくなります。
毎日はタンクの水を替えて振り洗い
レンティオの記事もダイキンの案内も、給水タンクは給水のたびに少量の水を入れて振り洗いする、としています。前の日の水を残したまま足すと、雑菌が増えてぬめりになります。使い切らなくても、朝に一度捨てて入れ直すだけで、月1回のクエン酸づけがずいぶん楽になります。
水は水道水を使ってください。浄水器の水やミネラルウォーターは塩素が入っていないので、タンクの中で雑菌が増えやすくなります。水垢の原因になるカルシウムは水道水にも浄水にも入っているので、浄水にしても水垢は減りません。
2週間に1回はプレフィルターの掃除機がけ
本体の後ろか横にある目の粗いプレフィルターは、2週間に1回、掃除機でホコリを吸います。ここが詰まると風の量が減って、加湿フィルターに当たる風も弱くなり、水垢が付きやすくなります。ダイキンの案内では、汚れがひどいときは柔らかいブラシか台所用の中性洗剤で洗ってよいとしています。
ホコリを吸うついでに、センサーの空気取り入れ口も掃除機のすきまノズルで吸っておきます。センサーのレンズは3か月に1回、乾いた綿棒で拭くだけです。ここに水やクエン酸を付けると誤作動の原因になります。
1か月に1回は加湿フィルターとトレーのクエン酸づけ
加湿フィルターとトレーのクエン酸づけは、ダイキンもトルネックスも約1か月に1回としています。加湿を使う秋から春の間は月1回、夏に加湿を止めているときは、トレーとフィルターをきれいにして乾かした状態でしまっておけば、その間の掃除は要りません。
月1回を忘れないコツは、電気代の明細が届く日や、給料日のような毎月決まった日に結びつけることです。2時間つけて半日乾かすので、休みの日の午前中に外して、夕方に戻す流れが続けやすいです。
クエン酸を2回試しても白い固まりが残るなら交換の合図
ここまでやっても白い固まりが残る加湿フィルターは、水垢がフィルターの繊維の奥まで入り込んでいます。2時間のクエン酸づけを2回やって落ちなければ、それ以上つけても戻らないので、加湿フィルターを新しいものに替えてください。無理にこすって破れたフィルターは、加湿の量が落ちるだけでなく、破れ目にカビが生えます。
加湿フィルターは各メーカーが交換用の部品を売っていて、機種によって寿命は違います。取扱説明書に交換の目安が書いてあるので、買った年を本体に貼っておくと、替え時が分かります。集塵フィルターと脱臭フィルターも、掃除機で吸っても風量が戻らない、においが取れないなら交換の時期です。
読み終わったら、まず加湿フィルターを外して、白い固まりがあるかどうかだけ見てください。あれば、ぬるま湯3Lにクエン酸大さじ2を溶かして2時間。それだけで、次に加湿を付けたときの風が変わります。
元々は充電式のポータブル電源や電動工具分野の専門アドバイザー。現在はキッチン家電や生活家電、カー用品まで幅広く担当しています。「毎日使うものほど、扱いやすさで選ぶ」が持論。
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