保育園や本屋さんで「大ピンチずかん」という名前を見かけて、どんな本なのか気になっていませんか。
名前に「図鑑」と付いていますが、動物や乗り物の図鑑とは中身がまったく違います。
中身は、子どもがやってしまいがちな失敗を集めて、どれくらい困るかで並べた絵本です。1巻から3巻で何が違うのか、何歳から読めるのか、家でどう読むと楽しいのかも分かるようにしました。
大ピンチずかんとは子どもの失敗をレベル順に並べた絵本
大ピンチずかんは、子どもが毎日の生活で出会う「困った」を、大ピンチとして図鑑の形で並べた絵本です。
作者は鈴木のりたけさんという絵本の作家で、小学館から出ています。
図鑑と名前が付いていても、調べものに使う本ではなく、親子で読んで笑う絵本です。
1ページに1つの大ピンチが載っている
本を開くと、1つの大ピンチごとに絵と説明が付いています。
紹介文に出てくる例は、「ガムを飲んじゃった」「シャンプーが目に入った」といった、子どもなら一度は経験しそうな場面です。
大人から見ると小さな出来事でも、子どもにとっては本気で困る瞬間ばかり。そこを大まじめに図鑑として並べているのが、この本のおもしろいところです。
大ピンチレベルとなりやすさで分けてある
それぞれの大ピンチには、どれくらい困るかを表す「大ピンチレベル」と、どれくらい起こりやすいかを表す「なりやすさ」が付いています。
本の中では、レベルの小さい大ピンチから順番に紹介されています。
ページが進むほど大ピンチのレベルが上がっていくので、子どもは次はどんな大ピンチかと続きを読みたくなります。
対処法や似ている大ピンチも載っている
大ピンチを紹介するだけでなく、その大ピンチになったときの対処法も書かれています。
ほかにも、似ている大ピンチや、その大ピンチのあとに起こりそうな次の大ピンチまで載っています。
1つの失敗から話が広がる作りなので、親子で「こうなったらどうする?」と話すきっかけになります。
【巻別】大ピンチずかん1から3は大ピンチの見方が変わる
大ピンチずかんは3巻まで出ていて、巻が進むごとに大ピンチを見るための道具が1つずつ増えていきます。
どの巻も1冊で話が終わるので、どこから読んでも内容は分かります。
1巻は大ピンチレベルとなりやすさで見る
最初の1冊は、大ピンチレベルとなりやすさの2つで大ピンチを分けています。
見るところが2つだけなので、初めて読む子どもでも分かりやすいです。
2巻は大ピンチグラフで6つの気持ちや状況を見る
2巻では「大ピンチグラフ」が加わり、大ピンチを6つの気持ちや状況の面から見るようになっています。
同じ大ピンチでも、何がどう困るのかを細かく分けて考えられるのが2巻です。
3巻はうっかりメーターでうっかりの度合いを見る
3巻には「うっかりメーター」が登場し、うっかりが原因の大ピンチに目を向けています。
忘れ物やうっかりが多い子どもなら、3巻の話に自分を重ねやすいかもしれません。
| 巻 | 大ピンチを見る道具 | 向いている子ども |
|---|---|---|
| 大ピンチずかん | 大ピンチレベルとなりやすさ | 初めて読む子ども |
| 大ピンチずかん2 | 大ピンチグラフ | 1巻を読んで気に入った子ども |
| 大ピンチずかん3 | うっかりメーター | 忘れ物やうっかりが多い子ども |
大ピンチずかんは3歳から小学校低学年まで楽しめる
絵本の紹介サイトでは対象年齢を3歳から5歳としていて、読んだ家庭の感想では小学校低学年まで楽しんでいるという声が多いです。
1巻のページ数は48ページで、1つの大ピンチごとに区切って読めます。
年齢によって、読み方を変えるとより楽しめます。
3歳から5歳は大人の読み聞かせで楽しむ
この年齢の子どもは、大ピンチレベルやなりやすさの数字をまだ読み取れないこともあります。
大人が読み聞かせをしながら、「これ、〇〇ちゃんもやったことあるね」と声をかけてあげましょう。
1回で全部読もうとせず、その日に気に入った大ピンチを2つか3つ読むだけでも十分です。
小学校低学年は1人で読んで話したがる
ひらがなが読めるようになると、1人で読み進める子どもが増えます。
1人で読んだあとは、「どの大ピンチがいちばんおもしろかった?」と聞いてみましょう。
正解を教えるより、子どもの話を聞いてあげると、次の大ピンチも話したくなります。
大ピンチずかんが人気なのは失敗を笑って話せるから
大ピンチずかんが多くの家庭で読まれているのは、子どもの失敗を責めずに笑って話せる本だからです。
MOE絵本屋さん大賞で1位に選ばれるなど、いくつもの絵本の賞を受けています。
作者の子どもが牛乳をこぼしたことから生まれた
作者の鈴木のりたけさんは、3人の子どもの父親です。
この本は、作者の子どもが牛乳をこぼしたことがきっかけで生まれたと紹介されています。
作者は、子どもたちが困っている場面をスマートフォンにメモし続けていて、そのメモが本のもとになりました。
失敗を図鑑で知っておくと怖さが減る
作者は最初、失敗を恐れずに前向きに生きようというメッセージの本にするつもりだったそうです。
ところが、子どもの失敗を集めていくうちに、図鑑として並べたほうが失敗への怖さが減るのではと考え、今の形になりました。
知らない大ピンチより、本で一度見たことのある大ピンチのほうが、いざというときに落ち着いて動けるということです。
家では子どもが失敗した日に大ピンチレベルを一緒に決める
大ピンチずかんを読んだあとは、子どもが実際に失敗した日に「今のは大ピンチレベルいくつ?」と聞いてみてください。
読んだ家庭の感想には、子どもが小さな失敗をしたときに「大ピンチレベル」という言葉を使うようになり、落ち着いて受け止められるようになったという声があります。
家でやるなら、次の3つの順番がおすすめです。
- 失敗したら、まず「大ピンチだね」と声をかける
- 子どもに大ピンチレベルを決めてもらう(数字は子どもが決めてOK)
- 本の対処法のように、次にどうするかを一緒に考える
ここで大事なのは、失敗を叱る前に、いったん大ピンチとして名前を付けることです。
名前が付くと、子どもは自分がしたことを少し離れて見られるようになります。
自分だけの大ピンチずかんを作る
本を何回も読んだ子どもには、自分だけの大ピンチずかんを作る遊びも向いています。
紙にその日の大ピンチの絵を描いて、大ピンチレベルとなりやすさを書き込むだけです。
1週間分たまったら、家族で見返してレベルが高い順に並べてみましょう。
最初の1冊は1巻から読めば十分
どの巻から読むか迷ったら、大ピンチレベルとなりやすさだけで読める1巻から始めれば困りません。
ここまでの話を、やることだけに絞るとこうなります。
- 大ピンチずかんは、子どもの困った場面をレベル順に並べた絵本
- 3歳から5歳は読み聞かせ、小学校低学年は1人読みで楽しめる
- 1巻を読んで気に入ったら、2巻の大ピンチグラフ、3巻のうっかりメーターへ進む
- 読んだあとは、実際の失敗に大ピンチレベルを付けて親子で話す
まずは図書館や本屋さんで1巻を手に取って、子どもが笑うページがあるか見てみてください。
気に入ったページが1つでも見つかれば、その日の夜の読み聞かせから始められます。
元々は充電式のポータブル電源や電動工具分野の専門アドバイザー。現在はキッチン家電や生活家電、カー用品まで幅広く担当しています。「毎日使うものほど、扱いやすさで選ぶ」が持論。
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